その1「店」

はじめまして珈琲 逃現郷です。
2010年に京都・西陣でサイフォンコーヒー専門店としてオープンしました。
築年数不明の古い町屋を店主自らリノベーションしてやっと作った店です。




その2「店主」

店主は1970年生まれ。京都のサイフォンコーヒーの草分け「はなふさ」にて7年間雇われマスターをした後に独立。
要は食い詰めて喫茶店でバイト、長居しているうちにつぶしが効かなくなって自ら開業という、よくあるパターンです。
でも僕が出会ったのがサイフォンコーヒーでなかったら喫茶店をしていなかったかもしれません。




その3「抽出」

ドリップコーヒーと比べるとサイフォンコーヒーはややマイナーな抽出方法です。
そしてこの2つは根本的に異なる抽出方法です。
ドリップは珈琲粉をお湯に浸しながら抽出する「透過式」。
サイフォンはお湯に珈琲粉を浸し、一定時間が経てば一度に抽出する「浸漬(しんし)式」。
「浸漬式」はより多くの味を抽出できる反面、出し過ぎると味がえぐくなってしまいます。
いかにギリギリまで味を抽出できるかが腕の見せ所です。




その4「焙煎」

「珈琲の味は7割方が焙煎で決まる」といわれます。
残りの3割くらいが生豆の素質だったり、抽出具合だったりするわけです。
妥当な言い回しだと思います。
逃現郷の焙煎主任は僕の嫁さんです。
老舗日本茶店に勤務していた彼女が退職金を丸々つぎ込んで買った焙煎機で日夜奮闘してくれています。
それぞれの豆にはそれぞれの美味しさがあります。
「おいしい」という感覚を共有できる相手でないと難しい作業なのです。


「焙煎」は生豆の持つ可能性を引き出す作業です。
そしてそれを開花させることが「抽出」なのです。
皆さんのお家でもぜひ素敵な一杯を咲かせてみてください。